研究室希望者へのメッセージ

生諸君の多くは、自分は研究者に向いているかどうか、研究者としてやっていけるかどうか、について不安や疑問を感じていると思います。逆に誰でも程度の差はあってもこのような不安や疑問を持つと思います。研究者になる上で大切なことは、実験をしていて楽しく感じるか、与えられた仕事をこなすだけでは十分ではなく、自ら主体的に勉強し、かつ、考えていくことが必要です。

実験のやり方を工夫したり、実験テーマに対するアプローチの仕方を変えたり、、、。それまでうまくいかなかったことが、ちょっとしたアイデアでうまくいったり、何かが突破口となりその先に進むことができたりしたときの喜びは格別です。場合によっては、あなたの発見により教科書の記載が変わったり、病気になるメカニズムが分かったりするのです。世界中の誰も知らない自然のベールをいち早く自分の手で解き明かす!とてもわくわくする瞬間です。

脳科学には未解明な部分が数多くあります。まだまだわかっていることの方が少ないかもしれません。それを世界中の研究者が一つ一つ解き明かそうとしています。もちろん世界中の研究者の熾烈な競争の中でオリジナルの研究をしていくことは容易な道ではありません。しかし、容易でないからこそやり甲斐もあり、研究の成果は人類の福祉に貢献していきます。

一度きりの人生をどんな風に生きるか。それはあなたが選ぶことです。真剣にプロの研究者を目指したい学生諸君を歓迎します。研究することの楽しさや喜びを、一人でも多くの学生に知ってもらいたいと思っています。

一瀬宏